書道の消耗品のひとつである半紙や画仙紙。できるだけお金をかけたくない…という人も少なくないと思います。値段によってどういった違いが出るのか、良い紙はどんなものか、意外と知らない表と裏についてなど、今回はについて詳しくお伝えしようと思います(*´▽`*)☆

安い紙(100均など)はつるつるしていて初心者向き、高い紙はざらざら味がある

書道の紙の値段はピンからキリまであります。細かい品質について書家の方など気にする人もいますが、一般的には値段である程度の品質は分かります手漉き(てすき)のほうが、機械漉き(きかいすき)よりも断然高価になります。大体下記のように分類されます。

《機械漉きの紙》

●円網(まるあみ)抄紙機製 …通称「パルプ半紙」。洋紙を和紙風に仕上げたもので、とにかく安いのが特徴。
100均の半紙のほとんどがコレです。つるつるしていてかすれにくい。書いた後、乾きにくいので汚さないように注意が必要。子どもや初心者が手軽に使うのに適しています。

●短網(たんもう)抄紙機製 …通称「模造半紙」。一般的な半紙で、私も主にこの紙を使っています(練習用も本番用も模造半紙)。
模造半紙の中でも種類がいくつかあり、手すき用の材料を使って作られていることもあります。程よくかすれ、程よくにじみが出ます

《手漉きの紙》

原料は、楮、三椏、雁皮、わら、パルプなど様々。組み合わせや配合は色々で、仕上がりによっても書いた印象は異なります。昔から中国において書道用の紙として作られてきた方法。手漉きで大きな紙を作って、半紙や画仙紙などの大きさにカットされて売られています。
機械漉きと異なり、ざらざらしていて”味”がありますかすれ、にじみの表情が出しやすく、豊かな表現が可能。それゆえに慣れない人にとっては書きにくい紙だとも言えます。

条幅を書く時の画仙紙も、半紙と同じく上記の分類に分けられます。ただ半紙よりも画仙紙のほうが「品質がすっごく悪い」紙は少ない傾向。値段的にもちろん100均には売っていませんし、ある程度書きなれた人が書くことを前提としているためです。
ちなみに…私が学んでる日本習字でも色んな種類の紙が売っています。子どものころ教室に通っているときは「検定用(本番用)」しか先生から買っていなかったので複数種類があることすら知らなかったのですが、本当は色々あります(;^_^A。練習用と検定用(本番用)と買っておけば使い分けることができます

日本習字の画仙紙 「練習画仙紙」が右、「検定画仙紙」が左です!

↑めちゃくちゃ見にくいんですが…、(光が入り込んでしまって写真の撮り方も悪いΣ( ̄ロ ̄lll))、練習用のほうが薄くややつるつるしていて色は真っ白検定用(本番用)はやや厚めでざらざらしていて、クリーム色っぽい白色です。ただ練習用といっても超~安いということもなく、検定用に寄せて作られた比較的安価な紙、ということです。私は仕上げの最後だけ検定用で書く、という訳ではなく、半分半分くらいの比率で使っています。練習用の紙と検定用の紙は、結局は「違う紙」。書いてみると分かりますが、やっぱり印象が違う!紙に慣れるのも時間がかかるので、それを踏まえて使いわけることが大事だと思っています(*^-^*)
習字教室などによっては、特に紙に規定がないところもあるかもしれません。だからと言って安い紙ばかり使うのはあまりお勧めしません。ざらざらした少し高い紙は、扱いづらい面もあるかもしれませんが、書いているうちに面白い表現ができることにきっと気が付きます。安い紙は、表現方法に限度があるのは事実です。
ただ子どもや、書道を始めたばかりの人は、表現方法よりも、まずは基本の字の書き方が重視されるので、安い紙でも問題ないかと思います(;´∀`)

つるつるが表が基本だが、あえてざらざらな裏に書いても面白い

どんな紙でも表と裏があります。触ってみて、表のほうはつるつるしていて、裏のほうがざらざらしています。100均などの安価な紙は紙自体がつるつるしていますが、裏はやっぱり少しざらついています。ただ書を創作するうえで、わざと裏に書く人もいます行書や草書では好んで裏を使い、かすれやにじみをはっきりさせて筆の運びを伝える、ということも創作方法のひとつです。(私はやりませんが…(;’∀’))

ちなみに紙は上と下は基本的に決められていません。ただ日本習字の検定用の画仙紙は、よーく見ると端っこに「丸の中にちょん」のマークがついていて、これが「下」と昔教室の先生に教えられました。半紙にはついていませんし、練習用の画仙紙にはついていません。

本物を見れば、もうちょっとわかりやすいです(;´∀`)

安い紙より高い紙のほうが良い面は多いですし、決められた表面で書いたほうが書きやすいです。でもこれは書いてみて実感できるものでもあります。100均の半紙はどんなものか試す価値はあると思いますし(どうせ100円で買えますし♪)、私はもう少し上達したら手漉きの良い紙もぜひ試してみたいなと思っています(*´ω`)。紙は消耗品。書いたらそれきりですが、それでも色んな紙を試してみて、自分が納得できる紙が見つけられたらそれが一番だと思います!!

◎練習用の紙(機械漉き)と、高級な手漉きの紙を載せておきますね◎