「書道の楽しさを知りたい」「子どもに習字を好きになってほしい」「書道初心者向けの本を探している」という人にぜひおススメしたいのが「とめはねっ!」という書道マンガです。
実は、私は書道教室を辞めた時「もう今後は書道はやらない」と思っていたのですが、15年経って書道を再開するきっかけになったマンガでもあります(^▽^;)ストーリーも面白いので、書道に興味が無い人も楽しめますし、知識がきちんとまとまっているので学習視点で見ても読んで損無し子どもに買ってあげるのにも一押しのマンガです☆その魅力をまとめてみました。

書道の地味さを全く感じない、爽快な青春マンガ

「とめはねっ!」は漫画家の河合克敏さんによる書道を題材としたまんがです。他の有名な作品のひとつに、柔道まんがの「帯をギュッとね!」があり、「とめはねっ!」でも柔道シーンがなぜか多く出てきます(笑)。
内容は、廃部寸前だった高校の書道部が舞台。書道をやったことが無い内気な帰国子女の男の子の大江縁と、柔道部と掛け持ちして書道を始める活発な女の子望月結希が入部し、ストーリーは始まります。
主要メンバーが書道初心者なので、スタートがやさしい。小学校や中学とは全く違う、高校から学ぶ書道の世界がどんどん広がっていきます(*‘∀‘)

1巻目からしっかり古典にも触れる。

この漫画の何より良いところは、書道の暗さ、地味さを感じないところ

書道パフォーマンスや書道展はまるでスポーツの試合のように描かれ、それに至るまでの練習にも悩んだり励ましあったり、その道のプロに助言されたり、それを我が物にするために試行錯誤していく様子が、なんとも…爽やか!!
私も高校の時は書道部でしたが、もう一度あの頃に戻ったら、もっと積極的に作品を書いたのに…と思えるほどに、爽快な感動があるんです。

九成宮醴泉銘を書くコツを教えるシーン!

そしてもう一つの魅力は、しっかり書道の知識に触れていること。
楷書、行書、草書、隷書、かな、大字書、漢字かな交じりの書などの特徴や違いに触れ、登場人物が取り組んでいく様子が分かりやすい。また有名な古典作品、押さえるべき書道家などが紹介されています。
もちろんまんがとして、少しツッコミどころもあります(^▽^;)いやいや…さすがに書道初心者がこんな好成績を取れないし、他校との交流は普通ここまでないし…。でもこんな書道部だったらもっと良かったなぁ、と20年前の元書道部員(私)は素直に思ったりもします。

NHKでドラマ化、専門誌にも紹介され、現在は書道の教科書にも掲載

まんがの表紙の裏に書かれていたことなのですが、このまんが、書道の専門誌の「墨」にも特集が組まれたそう。「墨」はどちらかと言えば正統派の固めの雑誌。それがこういったまんがを特集することがまず驚きです!!それだけ内容が深く熱く、書道界の中でも話題に上がることが多かった証拠かもしれません☆

「墨」188号に書道マンガ特集が掲載されているらしいです。

それから、最近ふと興味があって今使われている高校の書道の教科書を購入したのですが、その中に「とめはねっ!」のキャラクターたちが登場していてビックリ!教科書には「とめはねっ!」のまんがについて全く触れていないのですが、書道のことを話すキャラクターが教科書に載っていたら、生徒もとても読みやすいですよね。

教科書に採用されるってかなりすごいと思う。

またこれも知らなかったのですが、2010年にはNHKでドラマ化もされたそうです。(キャストも有名な方が出ていました。)これだけ注目されていたまんが、これまで手に取らなかったのがもったいないくらい☆

自宅にいる時間が多い今だからこそ、普段まんがを読まない人も見てみて欲しいなぁと思います♪
我が家はまだ息子が小さいので読めないですが、大きくなったら読ませてみようかな。これを機に子どもが書道に興味を持ってくれたら親としては嬉しい限りです(^^)