今年(2020年)の日本習字臨書部の行書課題は、「集王聖教序(しゅうおうしょうぎょうじょ)」の作品を取り上げ臨書をしています。作者の王義之の行書作品と言えば蘭亭序(らんていじょ)がとても有名ですが、この作品も蘭亭序に並び行書のお手本としてとても人気のある古典です♪歴史や特徴について、簡単にですがまとめてみました(*´▽`*)。

書聖・王義之の書を集字し、石碑にしたもの 一貫性は無い

集王聖教序は、玄奘(げんじょう)三蔵法師が仏典の中国語の翻訳を行い完成した功績をたたえ、王義之の文字を組み合わせ偉業をたたえる文を作り、672年に碑に刻したものです。太宗皇帝は、弘福寺の僧である懐仁(えにん)に集字の命を与えました。これらの文字は、宮中にあった王義之の手紙など(※)からの筆跡から採取したと言われています。※蘭亭序…蘭亭で曲水の宴を開いた際に作られた詩文の序文、喪乱帖(そうらんじょう)…王羲之の手紙の断片を集めたもの、奉橘帖(ほうきつじょう)など。 集字を行った懐仁については、どういう人だったのかの記録は残っていないそう。

碑の全体像はこんな感じ☆

王義之については、臨書をする人は誰もが知る書家・政治家。東晋時代、303年頃に生まれ361年に亡くなったと言われていますが、はっきりしていません。名門貴族出身で政治家としての出生はあまり望まなかったようです。書道史上最高の能書で「書聖」と仰がれる存在となり、楷書・行書・草書の名作があります(*´▽`*)

「書道I」の教科書より。作品の一例として「十七帖」が載っています。

ちなみに、残念ながら王義之の真蹟(その人が書いたものであると認められる筆跡のこと)は、一つも現存していません(>_<)。最高傑作の蘭亭序も原本は太宗皇帝のお墓に葬られてしまったそうです。

20年前の教科書「書道I」に載っていたもの。どちらも王義之の作品です☆

集王聖教序の特徴は、王義之の文字を寄せ集めたものなので、全体的に一貫性が無く、一部分を組み合わせたものや、点画や特定箇所の大きさを替えたり、伸縮させている文字もあります。臨書のポイントとしては「形をそのまま鵜呑みに臨書するのではなく、行書本来の用筆をいかして、やわらかく臨書することが重要」とお手本の解説にも書かれていました。

集王聖教序の特徴、押さえるべきポイント

・字数も多く行書を学ぶのに最適
・気脈が通らない部分は、少し補って書く
・楷書に近い文字、草書に近い文字がある。書写体を元に崩してあるもの字は馴染みが無いので注意。

手書き特有の漢字の形(書写体)は、私たちには馴染み無い形なのでよく見て書く!!

半紙の行書課題では集王聖教序の作品を少し書いてきたので、半紙サイズですがちょっと載せておきます(*’▽’)!

2020年4月号の課題
2020年5月号の課題
2020年7月号の課題

王義之の作品、知ってはいるものの、まだまだ書いたことがある作品が少ないので、これから先少しずつ臨書していければいいなと思っています(∩´∀`)∩