1年ぶりに王義之の集字聖教序(集王聖教序)の臨書をしています(>_<)。久しぶりで難しいこともあり、お手本や参考となる本を探していて、とりあえず二玄社の「新装版 拡大法書選集(5) 王義之 集字聖教序」を購入してみました。本の内容や感想をまとめて紹介したいと思います。「新装版 拡大法書選集」シリーズは全8冊あるので、そちらを購入する方にも参考になるかも☆

◎↓この本です!

シリーズ全8冊 見やすく調整された、文字が明瞭なお手本☆釈文あり、解説は無し

この本は二玄社から出ているシリーズ。私はとりあえず「集字聖教序」だけ買いました。タイトルに「新装版」とありますが、1977~1982年に刊行されたものを「新装版」として販売したものです。「集字聖教序」の新装版は発売年が2001年でした。シリーズの8冊は次の通り。
1、九成宮醴泉銘[唐・欧陽詢 楷書]
2、孔子廟堂碑[唐・虞世南 楷書]
3、雁塔聖教序[唐・褚遂良 楷書]
4、蘭亭叙[東晋・王羲之 行書]
5、集字聖教序[東晋・王羲之 行書]
6、十七帖[東晋・王羲之 草書]
7、書譜[唐・孫過庭 草書]
8、曹全碑[後漢 隷書]

表紙は書道の本としてはちょっとオシャレ!

判型は「A4変」でこれくらいの大きさ!
76ページで厚すぎないので、持ち運びやすいです☆

「拡大法書」というのは、「拡大」した「お手本」という意味なので、解説や書く際のポイントは全く書かれていません(;^_^A。二玄社のHPには、「書道の基礎古典と目される名品より、その文字を拡大して学書者の便に供する」「半紙六字大に習えるよう各頁2行に配置」と書かれています。

1ページ目からお手本がドーン!

前述したとおり、1ページ2行に拡大して配置されていますが、その拡大率は同率ではなく、また文字の間隔も調整されています。それから拓本って、文字以外の部分は欠けとかでやたらと白くなっていたり、文字が不鮮明な部分が多いものですが、これはとにかく見やすい!迷いなく臨書ができます。

鮮明で見やすい文字(*’▽’)!
小さく釈文も載ってます!

本の最初に、「各巻とも初学にふさわしい分量として、巻頭より習いやすい一定の抜粋にとどめた」と書いてありました。つまりこのシリーズ、全文が乗っているとは限らないということです。実は先日、集字聖教序の課題を書いていたのですが、該当箇所をこの本でいくら探しても見つからず…。課題の文は抜粋箇所には含まれていない部分だったようです(´;ω;`)。おそらく、集字聖教序の最初の3分の1くらいがこの本には載っているかと思います。
一応、どこまでが掲載されているか気になる方もいるかもしれないので、掲載範囲を載せておきますね。もし書きたい箇所が掲載されているか知りたかったら、こちらでご確認ください~。(余談ですが…、もしパソコンなら、大体のソフトウェアで、[Ctrl]+「F」で知りたい文字を入力して検索すると、該当箇所がある場合は色が付きます。私はそうやって知りたい文字を探してます。)
【「拡大法書」の掲載範囲】
「大唐三藏聖教序。
太宗文皇帝製。弘福寺沙門懷仁集。晉右將軍王羲之書。蓋聞。二儀有像。顯覆載以含生。四時無潛寒暑以化物。是以窺天鑒地。庸愚皆識其端。明陰洞陽。賢哲罕窮其數。 然而天地苞乎陰陽。而易識者。以其有像也。陰陽處乎天地。而難窮者。以其無形也。故知。像顯可征。雖愚不惑。形潛莫睹。在智猶迷。況乎佛道崇虛。乘幽控寂。弘濟萬品。典御十方。舉威靈而無上。抑神力而無下。大之則彌於宇宙。細之則攝於毫釐。無滅無生。千劫而不古。若隱若顯。運百福而長今。妙道凝玄。遵之莫知其際。法流湛寂。挹之莫測其源。故知。蠢蠢凡愚。區區庸鄙。投其旨趣。能無疑惑者哉。然則大教之興。基乎西土。騰漢庭而皎夢。照東域而流慈。昔者分形分跡之時。言未馳而成化。當常現常之世。民仰德而知遵。及乎晦影歸真。遷儀越世。金容掩色。不鏡三千之光。麗象開圖。空端四八之相。於是微言廣被。拯含類於三塗。遺訓遐宣。導群生於十地。然而真教難仰。莫能一其旨歸。曲學易遵。邪正於焉紛糾。所以空有之論。或習俗而是非。大小之乘。乍沿時而隆替。 有玄奘法師者。法門之領袖也。幼懷貞敏,早悟三空之心。長契神情。先苞四忍之行。松風水月。未足比其清華。仙露明珠。詎能方其朗潤。故以智通無累。神測未形。超六塵而迥出。只千古而無對。」載っているのはここまで!

結論として…この本は見やすいお手本が欲しい人には、文字が明瞭で分かりやすくおススメできます!ただ全文が載っていないことと、解説文が載っていないため、知識として幅広く網羅したい人向けではないかも(;´∀`)。私はもう少し知識面をカバーしたいので、他の本も買おうかなと思ってます☆(また何か買ったらこちらでご紹介しますね♪)

◎↓お手本はこちらのシリーズも有名です!!

◎↓これは法書ガイド=解説本で、ミニサイズの冊子です~。(参考:二玄社「中国法書選/中国法書ガイド」【九成宮醴泉銘】バージョンですが、どんな本か詳しく紹介してます。参考までに!)