以前、中国書道史が分かりやすい「マンガ 書の歴史 殷~唐」という本を紹介しましたが、先日同シリーズの日本バージョンマンガ『日本』書の歴史」を購入しました(*^-^*)。この前臨書の課題で藤原行成の白氏詩巻を書いて、そういえばこれまで日本の書についての知識がほとんどなかったことに気づき、読みやすそうな本を読んでみようかなと♪結論として、とても読みやすく、日本の書の歴史が実に理解しやすいです!本の魅力、特徴、内容について、ご紹介したいなと思います。

中級者向け 日本史や歴史が好きな人も親しみを持って読める日本の書の本

こちらの本は、書道の本を何冊も書いている魚住和晃氏が編著者として関わっており、もう一人、仮名などが書かれた章は角田恵理子氏が執筆しています。中国の書は上巻下巻に分かれていましたが、日本版は1冊に集約。臨書を学ぶ人が触れる古典の大半は中国の書なので、読む方も少ないかもしれませんが、私個人的には、自分の国の書の歴史であること、昔習った日本史だったり、有名な歴史上の人物が出てきたり、とても親しみやすく、読んでいて楽しかったです♪中国版の書の歴史の方にも書きましたが、タイトルにマンガと書いてありますが、内容は結構難しいです。マンガは挿絵的な扱いで活字が多く、内容は中級者向けです。文字だけの本よりももちろん読みやすいですが、「マンガだから軽ーく読める♪」という感じでは無いです(^▽^;)。でもちょっとでも興味がある人には、楽しんで読めると思います!!

357ページ♪活字も多いですが、マンガ、挿絵もあるので、私は1日で読めました(*^-^*)

帯の表には「空海や小野道風がエピソード豊かに大活躍する」、裏には「光明皇后、空海、嵯峨天皇、藤原定家、西行、平清盛、一休、良寛、本阿弥光悦、副島蒼海、日下部鳴鶴… 日本人は日本語をどれほど美しく書き表してきたか」と書かれています。

これ以外にも、書に関わった歴史上の日本人はほとんど載っていると思います(*‘∀‘)

本の構成は第一章~第七章に分かれています。
第一章:漢字の伝来《漢字は海を越えて》
第二章:唐代書法の浸透《中国に追いつけ》
第三章:和洋の形成と諸流《日本人の感性で書したい》
第四章:仮名の形成と繁栄《日本語を書きたい》
第五章:武家の書法《武人の右筆と僧侶と》
第六章:仮名美の変容《時代の流れが仮名を変えた》
第七章:明治維新と書の近代化《書芸術の確立を目指せ》

読んでみた感想:日本人なら知っておきたい歴史と作品ばかり 日本の書が好きになります♪

内容として、日本の歴史の流れに乗り、日本の書の歴史がマンガや写真、文で解説されています。三跡、三筆はもちろん、日本の歴史上の人物が結構登場することも面白いです。参考資料、古典作品ももちろん載っています。また近代の書については、私は知らない人も多かったのですが、時代に翻弄されつつ書を残す姿勢をしり、もっと知りたくなりました。以前行った台東区の書道博物館の中村不折についても詳しく載っていました。

金印の発見!←日本史で出てくるお馴染みの「漢委奴国王印」、甚兵衛さんという農夫が畑でみつけたんですね~Σ(・ω・ノ)ノ!。
空海をはじめとする三筆ももちろん登場!資料写真も豊富にあります。
西郷隆盛、勝海舟の書など、歴史上の人物の書が見られるのがまた良いです( *´艸`)

最後の年表には時代と書作品(その作品が載っているページも掲載)が載っています。索引はないのですが、知りたい古典作品の時代が分かればそこから該当ページが分かるので、辞典的にもまぁまぁ使えます。

巻末にあった、日本の書の歴史年表☆

読み終わって、中国の書と比べ、確かに日本は有名な書が少ないとは思います。その割には登場人物や作品も多く、全てを理解するのは難しいのですが、それでも自分の国の書の歴史を知れることはとても楽しかったです(*^-^*)!!小さな「へ~」と思えるようなエピソードが多く、書作品を見る目が変わります。これをきっかけに、もっと日本の書に目を向けたくなりました。日本人なら、知っておくべき歴史や作品ばかり。ぜひ一度読んでみてほしいなと思います(/ω\)。
◎↓この本です◎

中国書道史を知りたいなら、同シリーズのこの本↓↓がおススメ( *´艸`)
上巻「マンガ 書の歴史 殷~唐」(文庫本版「マンガ『書』の歴史と名作手本 王義之と顔真卿」
下巻「マンガ 書の歴史 宋~民国」(文庫本版「マンガ『書』の黄金時代と名作手本」