書道では色々な書体を学びます。基本三書体と言われるのが「楷書・行書・草書」(※基本五書体は「楷書・行書・草書・隷書・篆書」)。「楷書と行書は分けるけれど、草書は何だか分からない&とにかく読めない!」と思う方は多いのではないでしょうか。私も草書は得意という訳では無いのですが、書けると実に楽しい♪草書について、一人でも多くの方に興味を持ってもらえるように、今回は詳しく紹介したいなと思います。
(↑上の写真は、高校の教科書「書道Ⅱ」より抜粋したもの。普通は「書道Ⅰ」を学ぶと思うのですが、ワンランク上の教科書を取り寄せてみましたら、草書についてもさらに詳しく載っていました(*^^)v)
草書の歴史 行書より前に誕生!時代で少しずつ変わる
草書は現在の日常生活ではほとんど使われることはありません。時々和食屋さんの看板などで見かける程度でしょうか。行書は楷書を崩した書体ですが、元の字の形が大幅に残っているので読むことができます。しかし草書は更に崩れた書体で学んだことが無ければ読むことはできません。ましてや書くことはもっと難しく、その魅力を心底分かるようになるのは、ある程度草書に馴染み深くなってからだと思います。
草書は、素早く書くために生まれた書体です。実は楷書や行書よりも昔に誕生しており、隷書の早書きから漢時代に生まれたと考えられています。当時は隷書が標準書体で木簡や竹簡には隷書で書かれたものが多く見つかっていますが、日常的には草書も使われていました。『漢興りて草書あり』という言葉が、中国最古の字書「説文解字(せつもんかいじ)」の序文にも書かれています。※余談ですが草書が生まれた漢時代、日本はまだ弥生時代です。やっぱり中国は凄いなぁ(゚∀゚)☆
漢時代の後、三国時代、西晋時代、東晋時代と時代が進むにつれて草書は広く使われるようになり、書聖・王義之(おうぎし)が登場!「十七帖(じゅうしちじょう)」、「初月帖(しょげつじょう)」←[※このページの一番上の大きな写真、右から三番目の文字] 、そして息子の王献之(おうけんし)は「中秋帖(ちゅうしゅうじょう)」という作品を残します。
ちなみに臨書部9月号(2020年)のお手本、王義之の十七帖。流れるような字形が難しく、取り組むのは五段以上が対象。私は対象外~( ̄▽ ̄;)w
王義之・王献之親子の活躍から約250年後、王義之7世の孫にあたる智永が登場。草書の「真草千字文」は草書の初心者でも書きやすい古典で有名です☆
王義之の影響を強く受けて、草書を発展させた人として唐時代の孫過庭(そんかてい)「書譜」が有名で、同じく影響を受けて同時代に日本で活躍した三筆の空海、嵯峨天皇、橘逸勢も挙げられます☆
草書を学ぶコツ 必ず形を確認してから迷いなく書く!
私は草書は日本習字の漢字部で初めてちゃんと習いましたが、まるで他の国の言葉のように全ての字を草書で書けるようになるのはとても難しいです。良いお手本が手元にあるのなら良いのですが、もし無いのなら崩し方を間違わないように字典などで調べることも大切です。
ポイントは崩しすぎたり、全ての線をつなげるようなことをしないこと。点画の位置や余白の取り方を意識、筆の流れや運びに注意すること。書いている途中に迷いが出てしまうと流れが止まってしまい、美しい草書は書けません。何度も書いて体にその字を覚えさせることが上手く書くコツです☆(難しいんですけどね(;’∀’))
草書は筆の動きがよく分かる書体なので、個性が出やすいと言われています。また習字ではなく、”書道”を極めるという意味では、押さえておくべき書体かなとも思います◎私はまだまだですが、慣れてくると楽しいですし気持ちいい♪興味を持ったからはぜひ挑戦してみてくださいね(*´▽`*)
◎↓役に立ちそうな評判の良い字典を載せておきますね☆私もこういうの買わなくちゃなぁ…!!◎